BUDDHA BRAND「病める無限のブッダの世界」 – #np 2024.03.15

本日3月15日は、調べてみるとBUDDHA BRANDの1STアルバム(にしてベスト盤)「病める無限のブッダの世界(BEST OF THE BEST)」のリリース日で(2000/03/15) 。※CDのリリース日
その後、DEV-LARGEの死後の2019年に、NIPPSとCQのデュオ体制での2NDアルバム「これがブッダブランド!」がリリースされたものの、やはりDEV-LARGEが総指揮した純正のBUDDHA BRAND作品と呼べるのは1STアルバムのみ、と捉えているヘッズも多いはず…。
DEV-LARGEが生前に録っていたという発掘ヴァースありきで、7″がリリースされたばかりのDJ MASTERKEY”サイコロ52″(REMIX)を受け、数ある日本語ラップ作品の中でも正に金字塔と呼ばれる「病める無限のブッダの世界(BEST OF THE BEST)」をリマインドします。
恐らくはクリアランスの関係上、CUTTING EDGE関連作品は軒並みサブスク未解禁の為、未聴の方にはややハードル高めの一枚かもしれませんが、DEV-LARGEが総指揮して気合が入りまくったアートワーク、それ以外への細部の拘りを含め、是非LPかCD(であれば7″付のLPサイズ初回盤)のフィジカルで堪能していただくことを強く推奨します。

buddha brand_病める無限のブッダの世界_2cd_表
buddha brand_病める無限のブッダの世界_2cd_裏

BUDDHA BRAND「病める無限のブッダの世界(BEST OF THE BEST)」
(CUTTING EDGE/JPN 2CD+7″/CTCR-14153-4/J)

-CD1-
01 – SUPER HEAVY FUNK INTRO(feat. オーサカ=モノレール)
02 – 天運我に有り(撃つ用意)
03 – 病める∞のブッダの世界
04 – DON’T TEST DA MASTER(feat. NIPPS, LUNCH TIME SPEAX)
05 – REMOTE VIEWER IS VIEWING BRIGHTEST FUTURE
06 – ILL伝導者(VERSION SPIT FUNK 無敵の3本MIC)
07 – DEAD FUNKY PRESIDENT
08 – 大怪我3000(feat. FUSION CORE)
09 – PERFECT REALITY(WINTER IN LAND OF RISING SUN)
10 – 人間発電所(CLASSIC MIX)
11 – FLUTE OF MADNESS
12 – HI-JACK(のっとり)
13 – HUSTLER’S LIFE
14 – ブッダの休日
15 – RED EYE
16 – WORDS FROM TRUE MASTER
17 – THEME OF BUDDHA BRAND PT.1

-CD2-
01 – RE-ENTER DA 76 ZONE
02 – KRUSH GROOVE 3
03 – REMIX(KRUSH GROOVE 4)(feat. REDEYE DARUMA, BUDDHA FACE KILLER, MEDICINE MAN)
04 – WHAT CHA NAME?(BUDDHA)
05 – RETURN OF THE BUDDHA BROS
06 – D.L’S MIDNIGHT THEME PT.2
07 – FUNKY METHODIST
08 – D.J. BOBO JAMES MEETS D.R.D.O.I. IN FUTURE FUNKAMENTAO IN B.B SPACE 3000
09 – 発芽(PM~AM)
10 – ILL夢MAKERS76
11 – BUDDHA PORNOALLSTARS(さわり)
12 – ILLSON
13 – UNTOUCHABLE BUDDHA FUNK JAZZ(feat, UNTOUCHABLE DESTROYERS ORCHESTRA)
14 – 3 FLY TONGUES OF DEATH(feat. NIPPS)
15 – NOSTALGY 241169

-7″-
A-1 3 FLY TONGUES OF DEATH(feat. NIPPS)
B-1 黒船

CDでは96年リリースのデビューEP「人間発電所(プロローグ)」に始まり、「黒船」、「ブッダの休日」、「天運我に有り(撃つ用意)」(短冊CD!)、「DON’T TEST DA MASTER」を経て、1STアルバムかつベスト盤というテイで、ようやくリリースされる運びとなった本作は、これまでのシングル群はもちろん、新録、DEV-LARGE作のインスト曲も含めたCDは2枚組、LPでは3枚組×2タイトル(ラップ曲/インスト曲)という超ボリュームで、正に日本語ラップの金字塔と呼ぶに相応しい超大作。
なお、アルバム本編のリリース当時、DJ MASTERKEYとNIPPSは脱退して正式にはDEV-LARGEとCQのデュオ体制になっていましたが、収録曲はフルメンバー時、NIPPSとの3MC時の楽曲を多数含んでいる為、ジャケの写真が2人だったり、フルメンバーだったりと混在しています。

buddha brand_病める無限のブッダの世界_2cd_中ジャケ

全曲レビュー

CD1-01 – “SUPER HEAVY FUNK INTRO”(feat. オーサカ=モノレール)
イントロはオーサカ=モノレールを迎えた、J.B.’Sバリにファンキーなタイトル通りの導入曲。
BUDDHA BRANDの面々の登場は無しで、バンドを前座に、あくまでここから始まる壮大な本編の贅沢なお品書き、という感じ。
かつてのBLASTで、DEV-LARGE自身が解説もしていたので一部抜粋します。

アルバムの入り口に相応しい曲は何だろうって考えて、前からやりたかったジェイムス・ブラウンのライヴみたいなのをやってみたんですよ。あと、生音で70年代的な雰囲気が出せないからサンプリングしてる感じもあるので。それを大阪モノレールにやってもらったんですよ。彼らのライヴとか、目をつぶって聴いてると本当にJBズみたいですよね。

BLAST – APRIL 2000

CD1-02 – “天運我に有り(撃つ用意)”
実質的一曲目は、先行シングルとしてグループ名義では初となる短冊CDシングルで、なんとトヨタ「ハイラックス ピックアップ」のCMソングに起用された”天運我に有り(撃つ用意)!
BROTHERS BY CHOICE”SHE PUTS THE EASE BACK INTO EASY”のイントロに、WEBSTER LEWIS”DO IT WITH STYLE”をメインで使用したDEV-LARGE渾身のビートは、元々はインストのつもりだったという”人間発電所”バリの心地良さで、本作以降、ネタの両曲共に中古市場で一気にレア化した事実からもその人気が伺えるはず。
NIPPS不在の為、3MC曲と比べるとラップが少し地味な印象は否めないものの、DEV-LARGEもCQも、気合の入った熱量の高いリリックを披露しているんで、アルバムの幕開けとして申し分無し!
ちなみに、イナタいCDジャケとは異なり、12″のジャケはHEINER STADLER「BRAINS ON FIRE VOL.2」を引用した粋なアートワークになっています。

これを2曲目に持ってきたのは、華やかな感じを出しつつ”自分達はこういう事をやってきた”という意思表示をするため。あと、短冊CDでしか切ってないんで、知らない人もいるかなと。後から知ったんですけど、若松孝二という映画監督に「われに撃つ用意あり」って映画があるんですよ。実際若松さんと会う機会があって「この映画から取ったの?」って聞かれて、「いや知らなかったんです」って答えて。その後観てみたら、いい映画でした。トラック的には展開にこだわったんで、相当いろんな音が出たり入ったりします。そもそもインストのつもりで作ってた曲なんですよ。どう考えてもラップが乗りそうにないネタでも、使いたかったらそのまま行っちゃうんですよね。初期衝動を残しておきたいんです。

BLAST – APRIL 2000

CD1-03 – “病める∞のブッダの世界”
改めて、タイトル曲は意外にも(?)インストなんですが、2枚組の本編の構成は基本的にラップ曲とインスト曲が交互に展開されるのがテンプレートで、LPではそれが別盤としてそれぞれ(音圧を考慮した)3枚組で存在しています。
というわけで最初のインスト曲はこちらで、名V.A.「ULTIMATE BREAKS & BEATS」への収録でも知られるUPP”GIVE IT TO YOU”の中盤の転調部分を使用したチルい一曲。
ちなみに、”病める∞のブッダの世界”は先行シングルなどへの収録もなくて2000年リリースのアルバム本編で初出になった一曲ですが、DEV-LARGEがライバルと認め、後に”リーグオブレジェンド”で共演も果たすスチャダラパーが、一寸早い98年にリリースした”CARFRESHNER”で(一瞬だけ)同箇所を使用しているのは、いくら大ネタではあっても興味深いニアミス(シンクロニシティと言った方がイイ?)だったと思います。

凄く基本的なネタなんですけど、その何小節のフレーズを無理して展開させたのがこの曲。サンプリングの面白さって、無茶して生身じゃ出来ない事が出来ちゃうとこでしょ?小節の半分でループさせて、それがとんでもない音楽になったりするじゃないですか。それが面白いと思って作り始めたんで、だから変な切り方とか変な音が鳴ってるのをそのままループさせちゃったりするんですよね……。

BLAST – APRIL 2000

CD1-04 – “DON’T TEST DA MASTER”(feat. NIPPS, LUNCH TIME SPEAX)
一足早く99年にリリースされた先行シングルとしての12″時点ですでにNIPPSが脱退していた為、客演扱いになっていますが(なので12″ジャケも欠席)、実質的にはILLMATIC BUDDHA MC’SとLUNCH TIME SPEAXの唯一の共演曲。
元ネタが解読不能なレベルまで刻み、恐らくはDJ PREMIERのビートも意識したであろう技有りのプロダクションは、従来のDEV-LARGEらしさは薄いものの超ドープ!
後に、PUNPEEが(非公式ながら)ビートジャックしたことでもお馴染みのはず。

最初は全然違う曲を作ろうとしてたループが崩してくうちこうなって、D.O.I.君が「これ、どんどんバラしてたら聴いた事もない音になりますよ」って言うんで、じゃあとことん崩してみようって。途中から、ビートナッツの”Find That Shit”とかギャング・スターの”Royalty”を意識してましたね。

BLAST – APRIL 2000

CD1-05 – “REMOTE VIEWER IS VIEWING BRIGHTEST FUTURE”
HENRY MANCINI”PRETTY GIRLS”を贅沢に使用したビートは、GAGLE”VANTA BLACK”よりも18年も早かった!
いかにもDEV-LARGEが好みそうなO.S.T.っぽいサウンドで、”DON’T TEST DA MASTER”のドープネスを中和するように、スキットとして配置された1分ほどの短編曲になっています。

remote viewingっていうのは、日本語でいうと透視能力みたいなもの。このアルバムには日本の冬を象徴したような曲も入ってますけど、同時に、明るい未来もくるっていう音を入れておきたかったんですよ。明るいものは見えないけど、超能力とかポジティヴな力をもってる人には明るい未来が見えるはずだし、信じていれば見えるだろうって。自分の中で凄い意味のある曲なんですよ。

BLAST – APRIL 2000

CD1-06 – “ILL伝導者(VERSION SPIT FUNK 無敵の3本MIC)”
複数のバージョンが存在する”ILL伝承者”のビート、フック、ヴァース構成違いの再録、という認識で良さそうな”ILL伝導者”(VERSION PIT FUNK 無敵の3本MIC)。
MONK HIGGINS”THE LOOK OF SLIM”をメインで使用した”ILL伝承者”と比べると、リリックはほぼ同じでも”ILL伝導者”の方はビートもアッパーで、ラップもスピットする感じに再録し、元々はNIPPSヴァースから始まっていたのもCQスタートに変更され、NIPPSは大トリに配置されるような違いも。
A.A.B.B.(ABOVE AVERAGE BLACK BAND!)”PICK UP THE PIECES ONE BY ONE”を余すことなく使い切ったビートが最高!
DEV-LARGEも解説してる通り、フックもタイトルを連呼するものに変更されてるんで、長めのイントロも含め、確かにMAIN SOURCE”LIVE AT THE BARBEQUE”を意識したようなアレンジかと。
だとすると、1番手のNAS=CQ、2番手のJOE FATAL(FATAL)=DEV-LARGE、(4ヴァースは無いんでLARGE PROFESSOR役は無しで)3番手のAKINYELE=NIPPSってことになるんだけど、NIPPSがAKINYELEっていうのは妙に納得感がある…。

オリジナルがあっさりした和風ドレッシングだとしたら、こっちは中華ドレッシングみたいな濃さで。オリジナルは、サビが難解かなって思ってたんですけど、でも”緑の5本指って何?” ”ドまぐれ気質って何?”とかいろいろ聞かれて面白かった(笑)。でも、こっちは疾走感のある超ファンクでいきたいと思って。サビも連呼で、”Live At The BBQ”みたいな。前から作ろうと思ったネタを掻き集めて作りました。イメージとしては、ショウビズ&A.G.の”Giant In The Mental”みたいな感じなんだけど、そう言うと、クリちゃん(CQ)に全然違うっていつも言われる(笑)。

BLAST – APRIL 2000

CD1-07 – “DEAD FUNKY PRESIDENT”
続いて、自身名義でシングル化もしたDEV-LARGE渾身のインスト曲”DEAD FUNKY PRESIDENT”。
JOHN GREGORY”JAGUAR”を贅沢に使い切ったビートに、イントロでCOKE ESCOVEDO”HALL’S DELIGHT”、中盤にはGINO VANNELLI”POWERFUL PEOPLE”、アクセント的な声ネタにJIMMY SPICER”MONEY(DOLLAR BILL Y’ALL)”とかRUN DMC”DARRYL & JOE(KRUSH GROOVE 3)”、ERIC B & RAKIM”PAID IN FULL”辺りを使用する等、DEV-LARGEらしいエッセンスを塗した作りが最高!
グループの課外活動としてソロで、インスト作品も数枚遺したDEV-LARGEですが、中でも代表曲の一つと言えるはず。

ソーホーの”Hot Music”って、ハウスとヒップホップがクロス・オーヴァーしてるような曲があるんですけど、それのジャズ版みたいな。仕上がりはちょっと違いますけどね。

BLAST – APRIL 2000

CD1-08 – “大怪我3000”(feat. FUSION CORE)
言うまでもなく大神はBUDDHA BRANDとSHAKKAZOMBIEのユニットだったけど、こちらはパートナーをFUSION COREに変更した”大怪我”の3000バージョン。
ビートは原曲を流用しつつも、イントロにEDDIE PALMIERI”SPIRIT OF LOVE”を使用して、ECD不在をカバー(?)していたりとか、若干のパワーダウンは否めないような。
と言うか、コレって改めて振り返るとビートがNICE & NASTY 3″THE ULTIMATE RAP”(A TASTE OF HONEY”RESCUE ME”の弾き直し)で、ドラムブレイクはSPOONIE GEE & THE TREACHEROUS THREE”LOVE RAP”、イントロ部分(と決め部分のニュアンス)はFUNKY 4 + 1″THAT’S THE JOINT”、フックはMASTERDON COMMITTEE”FUNKBOX PARTY”って、オールドスクールの古典的パーティーラップの要素を全部乗せしたみたいな贅沢丼仕様。
ビートを使用してるNICE & NASTY 3″THE ULTIMATE RAP”の印象がやっぱり強いけど、複数の楽曲から持ち寄って新しい一曲を産み出してるって意味だと、このバランスは改めて流石!

オリジナルのプレスが少なかったせいか、「なんでもう一回切らないの」ってよく聞かれるんです。けど俺、再発ってあんまり好きじゃないんですよ。同じものをただ再発するのはつまらないと思ってて、はじめから”発電所”とカップリングで切るつもりがあったから、ネタも組みなおしてラップもやり直した。あと、カッコイイけど長いとも言われてたから(笑)、それで短くしたんですよ。フュージョン・コアもいいですよね。

BLAST – APRIL 2000

ここで話してるDEV-LARGEの再発の考え方があればこそ、CDの再発盤の収録内容がオリジナルと少しずつ違っていたりする試みに通じているんだろうと思います。

CD1-09 – “PERFECT REALITY(WINTER IN LAND OF RISING SUN)”
こちらのインストは2分強で、GEROGE DUKE”FACES IN REFLECTION NO.1″を使用。
DEV-LARGEも特に気に入ってたようで、グループの代表曲”人間発電所”への最高のブリッジになっています。

この曲、凄い好きなんですよ。1年半ぐらい前に作ったんですけど、当時は凄く世の中が空回りしてるって思ってたんですよね。不景気で、夕方街に行くと、歩く人みんな灰色の顔をしてて。日本はライジング・サンて呼ばれるけど、ちっともそうじゃない。ウィンターだなって。そんな感情を残しておきたいと思ったんですよ。でも、ネガティブなイメージじゃなくて、そこから上がっていく時の曲。

BLAST – APRIL 2000

CD1-10 – “人間発電所”(CLASSIC MIX)
一番最初のレコードのみのバージョンは、イントロによしだたくろうのライブでの語りが入ってたけど、さすがにCUTTING EDGEからのCDに収録された時にはDEV-LARGEの語りになってて、こちらで初出となった”人間発電所”(CLASSIC MIX)では、DE LA SOUL”PLUG TUNIN'”でお馴染みのLIBERACEの語りで落ち着いた模様。
それ以外のリリックやアウトロ等はCD版そのままで、イントロのみが違うバージョンでの収録になっています。
DEV-LARGEの語りのバージョンはアナログ化されていないこともあり、”人間発電所”(CLASSIC MIX)のリリース以降、年月を重ねるにつれて本テイクがスタンダードとして広く認知されつつあるような。
こちらは原曲からマスタリングをやり直してる話が有名で、数々のヒップホップのマスターピースに携わってきたニューヨークの名手、TOM CONYE仕事。

サビは、<このゲームに参加するには本物の魂がないとダメだ、寺の坊主が木魚を真剣に叩いてるよう、ドラマーがスネアを叩いてるように。そこに乗ってる俺たちのラップも、坊主が読むお経みたいに真剣で、そういうスタイルのライム・フロウだ。これができる境地に達したら、その教えに火を灯してハイになって、夜空に上げるような気持ちになろうぜ、そこまでなれるんだったらお前も天までトべる、だから発電して発言していこうぜ>……っていうメチャクチャな意味なんですよ(笑)。殆どの人が理解してないと思います。

BLAST – APRIL 2000

CD1-11 – “FLUTE OF MADNESS”
“人間発電所”(CLASSIC MIX)を堪能した後は、美しいフルートの音色をベースにしたインスト曲で箸休め。
「ドイツのジャズ」ということで、WOLFGANG SCHMID”CIRCLING”を使用。
DJ KRUSHが中谷美紀”天国より野蛮”のREMIXで先に使用していたものの、解説を読んだ限り、そこは特に意識的なものではなかったみたいですね。

この曲のために300~400枚はレコードを聴いたかも知れない。どうしても表現したいイメージがあって、それを探すのに凄い時間がかかったんですよ。結局ドイツのジャズのレコードを使ってるんですけど……。

BLAST – APRIL 2000

CD1-12 – “HI-JACK(のっとり)”
当ブログで12″のジャケネタでも取り上げ済みですが、12″ジャケよろしく、BEATNUTS”REIGN OF THE TEC”を意識したという一曲。

JUANICO ET SA TROMPETTE”CHARMAINE”/”STREAM BOAT”のダブル使いに、BILLY SQUIERの定番ブレイク”THE BIG BEAT”を使用した前ノメリなビートが超ドープ!
ちなみに、ここでDEV-LARGEが言うところの「最後に出てくる一番気持ちいいネタ」が、JUANICO ET SA TROMPETTE”STREAM BOAT”ということになりますかね。

俺の歌詞は、読めば分かるけど、いろんなものに対して俺なりの回答を出してます。細かい説明はしないけど、俺に降りかかってる火の粉は全部この曲でねじ伏せるって感じです。

BLAST – APRIL 2000

CD1-13 – “HUSTLER’S LIFE”
超ハードな”HI-JACK(のっとり)”の後は、クールダウンするようにLITTLE BEAVER”I CAN DIG IT BABY”のイントロを使用したメロウなインスト曲。
DEV-LARGEが解説してる通り、少しトリッキーなドラムパターンを当て込んでいます。

毎日クタクタなんで、どっか南の島でも行って夕日を見ながらボンヤリしてるイメージです。レゲエのドラム使ってるんですけど、こういうドラムは今まであまり使ってなかったですね。

BLAST – APRIL 2000

CD1-14 – “ブッダの休日”
DEV-LARGE曰く、「これは変えようがない」という通り、原曲そのまま収録。
もちろん、JOE THOMAS”COCO”を贅沢にまるごと使用したビートで、休日ノリのリラックスしたリリックが最高にハマッた一曲。

これは変えようがないんで、このまま入れました。長いんですけどね。当時は気が張ってた時期だから、そのアンチテーゼとしての休日モード。

(中略)

2曲ぐらい作れる音数が入ってると思います。ネタが贅沢だってよく言われるんですけど、勿体ないとは思わないんですよね。レコードからインスパイアされる限り、惜しげもなく使いたい。みんながそういう事をしてないから、なおさらそういう方向に行きたいですね。昔のヒップホップにあった、贅沢なネタ使いを日本にも残しておきたいんですよ。

BLAST – APRIL 2000

CD1-15 – “RED EYE”
9分近く(!)にも及ぶ長尺曲”ブッダの休日”でチルして、「赤目の達磨のオジキ」ことCQのテーマで更にブリブリになるイメージ。

俺の中でクリちゃんは、こういう渋い独特の流れを持ってる人だから。それに終わり方とか声ネタのタイミングとか、聴いてる人間が不安になるような事をわざとしてます。クリちゃんはそういうリリックを書くんで。こわくてオモシロイ、みたいな。

BLAST – APRIL 2000

CD1-16 – “WORDS FROM TRUE MASTER”
タイトルは多分GANG STARR作品のオマージュだろうけど、ここで言うところのTRUE MASTERは…?
この解説のような話は、当時DEV-LARGEが連載していたFRONTの「THE WORLD OF BUDDHA BRAND(COREすぎる怖すぎる男の世界)」でもチョクチョク書いてた気がします。

俺の大好きな某グループのライブ音源から声を抜いてます。”世の中にはゴミみたいなレコードがいっぱい出てるけど、そんなものは買うな”とか言ってる。そういう事です。ダメなものをサポートした結果、全体がダメになるのは困るって。そういう事です。

BLAST – APRIL 2000

CD1-17 – “THEME OF BUDDHA BRAND PT.1”
初回盤以降には未収録、LPサイズ初回盤2CDの特典的に収録された”THEME OF BUDDHA BRAND PT.1″は、元々は”THEME OF ILLMATIC BUDDHA MC’S”として”人間発電所”の12″に収録されていたインスト曲で、後の「人間発電所(プロローグ)」(CD)には未収録だったため、”DON’T TEST DA MASTER”(CD)でデジタル化し、こちらにも再収録。
“DON’T TEST DA MASTER”(CD)同様、DJ MUTAによるオフィシャル・ミックス「ILLDWELLERS」でもイントロ的に使われていました。

CD2-01 – “RE-ENTER DA 76 ZONE”
後半戦のド頭は、「人間発電所(プロローグ)」の1曲目の名コラージュ”ENTER DA 76 ZONE”をリメイクから。
こっちの方はベスト盤でもある「病める無限のブッダの世界(BEST OF THE BEST)」へ収録することを踏まえてか(?)、自らの”魔物道”(スタジオライブ)やら”FUNKY METHODIST”やら”人間発電所”やら”REMIX(KRUSH GROOVE 4)”辺りをふんだんに使用しています。
狙いを澄ました感じで、冒頭から大神”大怪我”(輸血MIX)のNIPPSの冒頭のパンチライン「まずはイルなイントロ」からしてアツい!
自身の解説によれば、DJ MASTERKEYじゃなくてDEV-LARGEがターンテーブルで作ったそうな。

Part 1(前半)は俺がスクラッチやってます。今のバトルDJってバトル用のレコードを使ってるけど、昔は1枚1枚レコードをかけてたし、それを変える早さとかもテクニックの1つだったじゃないですか。そうやって、流れを作っていく発想が、DJの素晴らしさだと思ってたんですよ。荒削りでも発想が面白い人が勝ち、みたいな。全然テクニックのない俺でもこんなにメチャクチャなの作っちゃうよ、というのを見せたかったんですよね。

BLAST – APRIL 2000

CD2-02 – “KRUSH GROOVE 3”
海と世代を越え、RUN DMCから(勝手に)引き継いだ「KRUSH GROOVE」シリーズ第3弾ですが、DEV-LARGEの気持ち的には第1弾が”ILLSON”、第2弾が”魔物道”なんだとか。
タイトル通り、ブッ壊れた極太ドラムブレイクに乗って、コールレスポンスを促すような短編のリリックで、ライブのアイドリングを意識したような仕上がり。
CD版にはちゃんと消しが入っていますが、12″収録のテイクは消し無しで収録されています。

アナログではサビの歌詞が消えなくて、一回DJヤスが知らないでラジオでかけちゃったんですよ(笑)。痛快なんだけど、関係者にはすいませんって感じですね。

BLAST – APRIL 2000

CD2-03 – “REMIX(KRUSH GROOVE 4)”(feat. RED EYE DARUMA, BUDDHA FACE KILLER, MEDICINE MAN)
12″にも”KRUSH GROOVE 3″とセットで収録されていた”REMIX(KRUSH GROOVE 4)は、クレジットには色々書いてるけど、実際にはRED EYE DARUMA(赤目の達磨のオジキ)=CQ、BUDDHA FACE KILLER=DEV-LARGEなんで、MEDICINE MANことSUIKENのみが客演参加。
恐らくは”KRUSH GROOVE 3″のREMIX=”REMIX(KRUSH GROOVE 4)”って意味合いで、リリックはDEV-LARGEもCQも全面書き直してるしフックも在るけど、ブッ壊れた極太ドラムブレイクはそのまま使用、SUIKENと共にヴァースもきっちり蹴って、より楽曲として成立させた感じ。
前ノメリなビートでDEV-LARGEとSUIKENの絡みを聴くと、例の”カモ狩り”を彷彿させるヘッズも多いかもしれませんが、こちらでは特定のMCに対するディスはありませんので、あしからず。
ちなみに、終盤のDEV-LARGEヴァースの渋谷HARLEMに言及するラインでは一緒にDJ MASTERKEYの名前も挙げていて、良好な関係性が確認できます。

多分、今まで世の中の曲名自体が”Remix”っていうのはなかったでしょ(笑)。荒々しいラップしたいと思って、”ウァー!”って感じにしたい、じゃあ語尾は全部”~er”にしちゃおう、って単純な発想です。これ、初めてリリックを読んだら驚くと思う。

(中略)

一応、ジェルーの”You Can’t Stop The Prophet”を意識して作ったんですけど、これも結局全然違う感じになっちゃいました。ラッパーの名前のクレジットが違うのは……何でだろう? 分からないです。

BLAST – APRIL 2000

CD2-04 – “WHAT CHA NAME?(BUDDHA)”
“KRUSH GROOVE”シリーズはほぼ一つの楽曲的な感じで切れ目無い連投になり、ここでインスト曲。
ACE SPECTRUM”I CAN’T KEEP HOLDING ON”をド頭から長尺で、コーラスごと使用したビートに、NIPPSの伝説のフリースタイルで生まれたパンチライン「ジャンキーの耳の救世主」の声ネタがハマッてる感じ。
ちなみに、このフレーズはDEV-LARGEが相当気に入ってたようで、後のソロ曲”BACK TO BURN”でもフックで流用しています。

自分の中では、アルバムでも一番哀愁漂う曲を作るつもりでした。次に続く曲のイントロでもあります。

BLAST – APRIL 2000

CD2-05 – “RETURN OF THE BUDDHA BROS”
というわけで前曲から満を持して、自らの帰還を宣言するような”RETURN OF THE BUDDHA BROS”をココで。
タイトル/テーマ的には、いかにも先行シングルっぽい内容で実際3枚目のシングルだったけど、やっぱり本当は1STシングルを予定してたんだとか。
BILL CONTI”REFLECTIONS”を使用したビートに、DEV-LARGE、CQ共に気合入りまくりのリリックをキックしてるけど、ココではCQに軍配!
「ドープというのは正にコレのこと、説明は不要、聴けば分かること」、「さんぴんCAMPなんて、ただの通過点」等、直球のパンチラインを連発してて素直に格好良し。
フックにはNIPPSも登場して、キッチリと3本マイクで決めてます。
ちなみに、フックの「BACK ON THE STREET」(CED G)/「BACK ON THE SCENE」(KOOL KEITH)の声ネタは、もちろんULTRAMAGNETIC MC’S”RAISE IT UP”から。

本当は一番最初にシングルとして切りたかった曲なんですよね。色んな理由があって最初に切れなかったけど、一昨年には出来ていた曲です。ネタは、知ってる人なら絶対知ってる曲で、なんでまだ誰もまだ出してないんだろう?ってぐらいカッコイイ。この曲とか”Hi-Jack”とか、一番気持ちいいネタが最後に出てくるのは、そこまでちゃんと聴いてほしいと思ってわざとそうしてるんですよ。

BLAST – APRIL 2000

CD2-06 – “DL’S MIDNIGHT THEME PT.2”
CDでは「黒船」/12″だと”FUNKY METHODIST”(ジャケ付きの2NDプレス)に収録されていた前作に続いて、”DL’S MIDNIGHT THEME”シリーズの第2弾。
GLORIA LYNNE”VISIONS”のイントロを使用した、いかにも夜っぽいリラックスしたサウンドだけど、前作との関連性は特に無いとのこと。

”Part 1”(「黒船」に収録)との関連性はあまりないです。けど、これも夜中にフワーッとしながら聴きたい曲。そういうのが一番好きなんですよね。全然ヒップホップっぽくない曲。

BLAST – APRIL 2000

CD2-07 – “FUNKY METHODIST”
夜中にチルしてるイメージから、最初期のクラシック”FUNKY METHODIST”へ。
当初はBIG PUNISHER”I’M NOT A PLAYER”とリリース時期が近かったこともあり、O’JAYSの原曲をネタ使いしてる、みたいなガセも流れてたけど、メインにはSTEVE KHAN”DARLIN’ DARLIN’ BABY”のフュージョン・カヴァーの方を使用してて、この辺りの(敢えて、心地良い方向に)ズラしてみせるセンスがDEV-LARGEっぽいし、ひいてはBUDDHA BRANDらしさなのかも、と改めて。

サビはニップスが適当に考えました。この頃、サビを全然重要視してなくて、”Ill Son”とか無茶苦茶でしょ?1ヴァース目とか、多分サビまで40小節ぐらいあると思うんですけど、その辺はデビュー前のジェルーとかフィネスの影響ですね。

BLAST – APRIL 2000

CD2-08 – “D.J. BOBO JAMES MEETS D.R.D.O.I. IN FUTURE FUNKAMENTAO IN B.B SPACE 3000”
続いて、突如として宇宙と交信するブッ飛んだ展開!
後のM-FLO”DISPATCH”(SPACE BUDDHA PIMP+1 MORE REMIX)とかNIPPS”GALAXY PIMP 3000″でも宇宙とは頻繁に交信することになってくんで(?)、今となればその序章的展開と言えるのかも。
解説によれば、一応アメコミっぽい設定のイメージはあったようですね。

パーラメントとかファンカデリックとかアイザック・ヘイズとか、超長い曲名とかあるでしょ? そういうのやりたいと思って、名前から最初に決まってたんですよ。ボボ・ジェイムスっていうDJがドクターD.O.I.っていう凄い先生と会ってしまい、宇宙で超人ハルクみたいな状態になって別の宇宙に飛んでいっちゃう、みたいな感じで。ほとんどライヴで、色んなレコードをとっかえひっかえミキサーから出したり、実験的に作りました。

BLAST – APRIL 2000

CD2-09 – “発芽(PM~AM)”
PARLET”DON’T EVER STOP”をコーラスもろとも使用。
夜中から朝方にかけて何かしらが芽吹いてるイメージなんだろうけど、イメージ通りの音で、次曲への最高のアシストになっていると思います。

PMからAMに変わる時間に聞いてほしい。俺らみたいな仕事してると、体内時計が狂っちゃってて夜中の方が目が冴える。パーッと覚醒していく感じ。そういう夜行性のテーマ・ソングとして作ったんですよ。

BLAST – APRIL 2000

CD2-10 – “ILL夢MAKERS76”
“DON’T TEST DA MASTER”にはG.K. MARYANを迎えたビートも違うREMIXが収録されてたけど、こっちはDEV-LARGEとCQのみのオリジナル・バージョン。
フックでDEV-LARGEが歌ってる「浮かねぇ顔はもう要らねぇ、楽しくノリ続けるてめぇに万歳」は、もちろんG.K. MARYANの楽曲で、DEV-LARGEが手掛けた初期仕事でもある”FREE GREEN(土地の中の土の記憶)”からの引用なんで、REMIXはオリジネーターに敬意を払った招集、という感じかな。
REMIXよりも夢見心地な雰囲気のユルめのビートはEDDIE HENDERSON”BEYOND FOREVER”を使用したもの。

どれだけチョップできるかチャレンジした曲。ドラムも何も足してないんですよ。4小節ループを最初はそのままループして、だんだん組み替えていくっていう。このネタは、アルバムの中で音素材としては一番好きですね。

BLAST – APRIL 2000

CD2-11 – “BUDDHA PORNOALLSTARS(さわり)”
こちらはインスト曲と言うかスキットで、BEATNUTSが”SPELLIN’ BEATNUTS WITH LIL’ DONNY”で先に使ったBLOWFLY”SESAME STREET”を使用。
使い方とかアイデアもほぼ一緒って感じなんだけど、制作時期が被ってて先に出されちゃったって感じだったのかな。
結局、本作にはインストすら収録されなかった同曲の本編的な”BUDDHA PORNO ALL STARS(女体の狩人のテーマ)”の序章的なスキットでもあります。

ビートナッツが先に使ってたんだけど、下ネタばかり歌ってる人が「セサミ・ストリート」のSEX版みたいなレコードを出してて、そこから抜いて、「Buddha Porno All Star」って言わせてるんですよ。

BLAST – APRIL 2000

CD2-12 – “ILLSON”
説明不要のクラシックにして、BUDDHA BRANDとしては”FUNKY METHODIST”と共に自主盤でリリースした記念すべきデビュー曲。
HEATH BROTHERSのKUUMBAことTOUDIE HEATHの”BARAKA”の不穏なベースラインを軸に、同曲を贅沢に使い切ったビートは、今なお超ドープ。
解説の話でいくと、恐らく制作時期は「ILLMATIC」リリース後の94~5年辺りと想像しますが、確かに想定通り(?)、このビートが「ILLMATIC」収録曲と並んでも雰囲気としては近いものがあると言うか、実際Q-TIP仕事のNAS”ONE LOVE”はHEATH BROTHERS”SMILING BILLY SUITE PT.2″を使用してたわけだし、その辺りを多分に意識して制作されたであろうことが分かります。

Nasの1枚目が出た時、凄い触発されて、もし俺がNasに1曲提供するならどんな曲かな?って想定して作った曲です。

BLAST – APRIL 2000

CD2-13 – “UNTOUCHABLE BUDDHA FUNK JAZZ”(feat, UNTOUCHABLE DESTROYERS ORCHESTRA)
DEV-LARGE名義での”DEAD FUNKY PRESIDENT”の12″のB面にも収録されてたインスト曲で、この辺りが作品軸だと後の「KUROFUNE 9000」とか「OOPARTS(LOST 10 YEARS ブッダの遺産)」に継承されてくことになるんで、解説の「アルバムに入れていきます」発言はあながち間違ってないってことか。
RICHARD “GROOVE” HOLMES”ONSAYA JOY”を使い切ったグルーヴィーな一曲!

こういうジャズっぽい曲は今後も絶対アルバムに入れていきますよ。デヴ・ラージは「謎のミュージシャンを集めて秘密にレコーディングしていたらしい」と書いといて下さい。

BLAST – APRIL 2000

完全に余談なんですが、”DEAD FUNKY PRESIDENT”の12″に収録されてた”人間発電所”(REPRISE)は、原曲のメインで使用したKING JAMES VERSION”I’LL STILL LOVE YOU”のギターパートを、何気にLENNY KRAVITZ”IT AIN’T OVER TIL IT’S OVER”に差し替えたバージョンで収録してて。
インストの3LP「病める無限のインストの世界」にも未収録な上、前述の12″にも割とひっそりと収録されてる印象だったんで、単に”人間発電所”のインストだと思ってた人ももしかしたら居るんじゃないかと思うんですが、これも策士DEV-LARGEらしいニヤリとする仕掛け。
ラジオ形式のミックス「STINKY ASS BUDDHA PORNO FUNK RADIO SHOW」シリーズのプロトタイプにあたるVOL.0で、DEV-LARGE自身がLENNY KRAVITZ曲をプレイしてて、「”(人間)発電所”に似てる」って話をしてたのを知ると、一層ニヤニヤが止まらない感じかと。

CD2-14 – “3 FLY TONGUES OF DEATH”(feat. NIPPS)
コッテリしたインスト曲の後は、アウトロ的な一曲。
ラップ盤の3LPには未収録、アナログは7″のみでLPサイズ初回盤2CDの特典という形でしか存在していない、NIPPSを迎えた無敵の3本マイク布陣でのアカペラ曲で、好き放題歌ってるんでフリースタイルかと思いきや、ちゃんと(ほぼほぼ)リリックは書いてたそうな。
コレを聴くと、個人的にはDJ MUTA作のオフィシャル・ミックス「ILLDWELLERS」で声ネタの素材として上手に入れ込んでたのを思い出します。
BUDDHA BRANDはアカペラをあまり残していないグループでもあるんで、そういう意味では貴重?

これも超狂ってますよね。”Def”って元”Death”が変形した言葉なんですけど、そこをまた戻してタイトルに付けて、そのくらい口達者/ベロ達者な3人組、って事です。声自体のパワー、声を楽器として聴かせたかった。本当は尺が6~7分とか、あり得ないぐらい長かったんですけど、切ってこの長さにしました。俺の後半以外は、全部歌詞書いてますよ。

BLAST – APRIL 2000

ちなみに、CDと7″だと内容が若干違ってて、後者にはイントロ/アウトロ(録音前後のやりとり)が付いてるのは分かりやすいんですが、よく聴くと最後のDEV-LARGEヴァースが少し長めに収録されています。
是非、この機会にフル尺を聴き返してほしい…!

CD2-15 – “NOSTALGY 241169”
正真正銘のアウトロは、ARCHIE WHITEWATER”CROSS COUNTRY”を使用したインスト曲。
COMMON”CHAPTER 13″で使用されたのが有名ですが、何気に初出はAKINYELEのLARGE PROFESSOR仕事”BAGS PACKED”(のアウトロ)だと思われるので、その辺りの文脈も踏まえて聴くと更に味わい深いかと。
個人的にも大好きなネタなんで、この締め方は最高…!

全体を締めくくる夕焼けのイメージ。数字は俺の誕生日なんですけど、60年代から70年代って空気が明確に変わる部分があると思って、その間のゆったりした雰囲気を音で表現したいと思ったんですよね。

BLAST – APRIL 2000

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