またまた平野文から、85年(昭和60年)の6THアルバム「音楽小説」より”FUNKY DREAMER”をピックアップ!


平野文「音楽小説」
(CANYON RECORDS/JPN LP/C28G0387)
A-1 FOR THE LOVE OF YOU
A-2 I’M A WRITER
A-3 正体不明の恋
A-4 リバーシブル・ハート
A-5 インストラクターZ
A-6 FUNKY DREAMER
B-1 PEPPY GALの心得
B-2 おやすみなさいのキス
B-3 あなたの視線が、なにより強力
B-4 ワープロ・デイト
B-5 CHANCE ON ME
B-6 OPEN THE WINDOW
“FUNKY TELEPHONE”シリーズを経た、A.K.A. MCラムによるラップ歌謡の進化形!
84年のアニメ映画の名作「うつ星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を明らかに意識したであろう”FUNKY DREAMER”は、”FUNKY TELEPHONE”シリーズより2年後のリリースとなっていますが、なんとよりラップ的な進化を遂げており、明らかに本国の古典、GRANDMASTER FLASH & THE FURIOUS 5″THE MESSAGE”を意識したであろうエレクトリックなビートにヴァースは全編ラップ、フックも恐らくは原曲のフック(「DON’T PUSH ME ‘CAUSE I’M CLOSE TO THE EDGE〜」)を意識したブツ切りフロウをハメた上に、アクセント的にスクラッチ風のSEまで入れてくる始末…!
正直、85年にして相当レベルの高いラップ歌謡に仕上がっていると思います。
帯にもキッチリと「憧れのスーパー・ライターとなって平野文が唄とラップで描く、刺激的な必聴盤!!」という売り文句も入ってるし、ラップに対して意識的であることも分かります。
とは言え、ラップ歌謡にチャレンジしてるのは”FUNKY DREAMER”と、ワープロのタイプ音のSEをアクセントに早口言葉的なラップが踊る”ワープロ・デイト”だけなんですが、店主はやっぱり前者推し。
やれば出来るわ、出来ればNOVEL
書けば書くとき、書ければSTORY
FICTION ROMANCE クイクイ VIOLENCE
KOKIYOじゃダメなの
ICHOHYAサンの赤いマス目の原稿用紙
埋めて私もNEVELIST!日々これEFFORT、努力の女
平野文”FUNKY DREAMER”(1VERSE)
シャカカ・カカ・シャカ、書くのはやめたい
ワープロ・ピポパポ、グズグズ悩まず
ANYTHING DOして、WHATになれば
軽いタッチのパラダイム
これで私もNAOKI SHOW!
84、85年と言ったら佐野元春”COMPLICATION SHAKEDOWN”や田原俊彦”IT’S BAD”辺りと同時期(もっと言えばシブがき隊”スシ食いねェ!”の前年!)なので、そこと比較しても如何に本作が本格的かは一目瞭然のはず。
そもそも、世界的に見てもまだまだ♀MCによるラップ(ラップ歌謡も含む)自体の球数が少なかった80年代中期、日本の声優上がりの歌手が残した楽曲として非常に歴史的な意義も深いのでは。
“FUNKY TELEPHONE”の2作を経て、段階的な進化を遂げ”FUNKY DREAMER”へと昇華する流れも含め、実に興味深い研究題材かと…!


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