LEGENDオブ伝説(A.K.A. サイプレス上野!)作品に続いての入荷情報は、四街道NATUREの片割れ、マイクアキラのカムバック・シングル!
キッチリした形(?)のリリースとしては配信のみだった2021年の”JOYIN’ JOINT”(NIPPS参加!)以来になろうかと思いますが、フィジカルでのリリースとなると相当久々のような…。
この度のカムバックを受けて、店主が無理を言ってこの度、取り扱わせていただく運びになりました(マイクアキラさん、ありがとうございます)。


マイクアキラ”頑張れ!!俺!”
(BYE RECORD/JPN CDR/-)
01 – 頑張れ!!俺!(feat. YOU THE ROCK★)
02 – 頑張れ!!俺!(INSTRUMENTAL)
なんと、たった110枚限定(!)というフィジカルのシングルCDR…!
しかも、今回は90年代を共にサバイブしてきたYOU THE ROCK★と絡んで、さんぴんCAMP世代を直撃する応援歌になっています。
何気に、YTR★ことYOU THE ROCK★とは2009年のソロ・デビュー作「THE RAP IDOL」収録の”冬のいたずら”以来、実に15年振りの共演ということもあり、昔から追ってたヘッズはそこでも涙がこぼれる感じ(その間、色々あったもんな、的な)…。
完全に味の域に達したマイクアキラの辿々しいラップは、やはり唯一無二…!
折角なので、過去のマイクアキラ関連作品から、忘れられないマイクラシック10選をリマインドしておきます(順位不同)。

マイクアキラ”虹”
いきなりハンドメイドな自主盤からでナンですが、V.A.「CONCRETE GREEN 8」にも収録された”虹”は比較的有名な一曲かも。
地元のDJ、NORIが手掛けた、正にタイトル通りのイメージの煌びやかなビートで、もはや味としか言い様の無いマイクアキラの舌足らず気味のラップがどうにもクセになる感じ。
奇しくも、かつて同タイトルでリリースされた同世代のSHAKKA ZOMBIE”虹”と、パッと聞きは似た感じになっているのも興味深いところかと。
2010年にNORIとの連名でリリースされた「THE EARTH EMPEROR」にも再録されましたが、一番最初に出回っていたのがこちらの白盤CDR「おい、アキラ(さん)」と思われます。
地味に「おい、アキラ(さん)」にはライブテイクも収録されてるんで聴き比べても面白い?

SEEDA”ガリガリBOYZ”(feat. 四街道NATURE)
2007年にリリースされたSEEDAの「街風」には、四街道NATUREの久々のリユニオン曲”ガリガリBOYZ”が在ったこともスルー厳禁。
KZAの久々のキレまくったヴァースももちろん格好良いんだけど、途中からビートチェンジして奇人振りを全開するマイキーことマイクアキラの出番には、正に彼のラップアイドルたる所以が堪能出来るはず。
主役のSEEDAを完全に喰った、これぞ怪演…!
当時、USシーンを席巻してたYING YANG TWINS作品の影響(?)も薄っすらと…!

四街道NATURE”惨事”(LIVE AT 四街道文化センター)(feat. タイプライター)
四街道NATURE時代まで遡っちゃうとキリがないけど、これだけはどうしても!
グループ名義では唯一となった98年の名盤「V.I.C.TOMORROW」の大トリを飾った”惨事”の疑似ライブテイクは、ヒップホップの永遠の国歌、INCREDIBLE BONGO BAND”APACHE”を粗く2枚使いしたド直球の硬派な仕上がり。
いくら98年でも、”APACHE”をまんま使うのはベタ過ぎて照れ(?)もあっただろうと想像しますが、コレに関しては90年代のうちにやっておいてくれて本当に良かった!
2ヴァース目に登場するマイクアキラはオリジナル・バージョンよりもテンション高く、ライブ用の激アツ仕様!
奇しくもRHYMESTER”B-BOYイズム”(パチアツREMIX)と同年、そちらがA面(12″はプロモのみだけど)だとするなら、こっちはB面(12″はおろか、LPも存在せず)と言えそうですが、そんなB級感すら愛でたい最高なテイクだと思います。
余談ながら、「V.I.C.TOMORROW」はテストプロモが存在するとか、熱心なヘッズの間では一時期までまことしやかに信じられていた都市伝説がありましたが、結局今にしても現物は確認できず。
もしも、テストプロモでもLPが存在していたなら、間違いなくキミドリ「S.T.」やBUDDHA BRAND「HI JACK(のっとり)」(テストプロモ)よろしく、国宝級の代物になっていたと妄想します。

マイクアキラ”人間なんて”(feat. KIKKOMAN, IQ)
2009年のソロデビュー作「THE RAP IDOL」の冒頭を飾った一曲!
一時はユニットかの如く絡みまくってたKIKKOMANに加えて元FUSION COREのIQを迎え、FORCE OF NATUREのDJ KENT作の疾走感溢れるビートでマイクリレーを披露。
ある意味、四街道NATURE人脈の延長線上と言える布陣ですが、キッチリと「V.I.C.TOMORROW」からのアップデートを感じさせる仕上がりも良き。
次作の「THE RAP ROBOT」ではEVISBEATSがREMIXしてたけど、個人的には心地良さで優るこちらのオリジナル・バージョンが好み。
マイクアキラ”BE MYSELF”(feat. なのるなもない)
まだ降神が存在していた頃(?)になのるなもないを迎えた”BE MYSELF”は、マイクアキラが主役を喰われてしまった感も否めないけど、EVISBEATS作のアコースティックなビートも含めて両者の相性はまずまず。
マイクアキラ名義の楽曲と考えるとちとアレでも、なのるなもないにマイクアキラが客演したと思えば違った印象で聴ける?
小気味良くマイクをパスし合う絡みの濃厚さも良き。
多数のゲストを招き、彩り豊かな「THE RAP IDOL」の中でも異彩を放つ一曲だと思います。

マイクアキラ”THE RAP ROBOT(1人WONDER)”(feat. SEEDA)
前作「THE RAP IDOL」から間髪入れず、同年にリリースした2NDアルバム「THE RAP ROBOT」こそがマイクアキラの代表作と考えているのは店主だけ?
その冒頭を飾ったタイトル曲”THE RAP ROBOT(1人WONDER)”はALI-KICK作のシンプルな四つ打ちビートの上で、(ノークレジットながら)SEEDAを迎えた一曲。
アイドルかロボットか、どっちなんだよってツッコミはさておき、まだまだ第一線級にキレてた(が、一瞬の引退時に録音していたと思われる)SEEDAを従えてアイドリングがてら、ゆっくりと調子を上げていくここでのマイクアキラのラップは作中屈指の格好良さ。
前作でも”CLOSER”でSEEDAとは共演してたけど、店主はこちらに軍配!
マイクアキラ”LIFE”(feat. AMIDA, ACHARU)
「THE RAP IDOL」から続投、EVISBEATSとして手掛けたビートにAMIDA名義でラップも披露した”LIFE”は、もうEVISBEATS「AMIDA」に収録されてても何らおかしくないEVISBEATS節の強い一曲。
フックをACHARUが務める布陣は、同作ではもう一曲”LOVE GONE”も在ったけど(そっちはEVISBEATSはプロデュースのみ)、EVISBEATSの”蛍”辺りにも似た神々しい雰囲気のこっちの方が店主好み。
余談ですが、「THE RAP ROBOT」をたまに棚から引っ張り出して聴き返したくなるのは、”THE RAP ROBOT(1人WONDER)”から”LIFE”の冒頭の流れの良さのせいだと思ってるんで、やっぱりアルバムの導入部分って大事だなと改めて。
マイクアキラ”イルボーイフレンド PT.1″(feat. NIPPS)
「THE RAP ROBOT」には続編(?)の”イルボーイフレンド PT.2″(ラップも撮り直してる!)も在ったけど、往年のBUDDHA BRANDのイルな世界観に相乗りしたようなPT.1の方がドープ。
トリッキーで下ネタ多めなNIPPSヴァースは、茶を濁したようで好き嫌いは分かれるかもしれませんが、SEXORCISTとして活動が活発化していた時期と思えば、当時のNIPPSはどれもこんな感じだったかなと(BUDDHA BRAND時代の往年のパンチラインをセルフリサイクルするのも、当時のSEXORCISTやTETRAD GANG OF FOUR名義の作品と同じ)。
ちなみに、NIPPSはさらに同作のスキット”神山話”にも登場(ここでも下ネタを披露…)、後にもマイクアキラ名義の”TIME”、”JOYIN’ JOINT”で共演してるから、初顔合わせの”イルボーイフレンド”シリーズをよっぽど気に入ってたのかな。
マイクアキラ”BANG BANG BANG BANG!!!!!”(feat. 神戸薔薇尻, MINT)
これはもう完全に店主の趣味だけど、神戸の神戸薔薇尻(現・小林勝行)と元・韻踏合組合のILLMINTことMINT(現・ミンちゃん)を一曲に招集しただけでも一聴の価値有り!
とは言え、彼のダウナーな時期に録音しちゃったのか(?)、ぶつくさ言ってる神戸薔薇尻ヴァースに絶好調時のキレは望むべくもないけど、一方でMINTは自身ヴァースの歌い出し、GRANDMASTER FLASH & THE FURIOUS FIVE”THE MESSAGE”の替え歌からして完全に主役を喰う切れ味。
ヴァースを蹴った上、フックも歌うマイクアキラが添え物になっちゃった感は否めないけど、曲としては歪が故のクセになる、さながら珍味的一曲かと。

マイクアキラ & NORI”さよならGOODBYE”
10曲目は、記念すべきV.A.「CONCRETE GREEN 1」に提供された一曲。
こちらも”虹”と同じく、2010年のNORIとの連名作「THE EARTH EMPEROR」に収録されるんでレアとかではないけど、2006年時点にはすでに完成していた事実。
NORI作のもの悲しげなビートに、恐らくは東京から地元・静岡に拠点を移す際の心情を歌ったであろう感傷的なリリックに涙。
ラップアイドルとしてBIZ MARKIEを重ねるなら(?)”JUST A FRINED”の如く、美しい一曲だと思います。
最後に、未発表曲の類も少しだけ。

マイクアキラ”RAINY”
確か、NORIとの共作「THE EARTH EMPEROR」の特典(だったはず)の白盤CDRから。
前述の”さよならGOODBYE”にも通じる、もの悲しげなビートに乗ってタイトル通り、「雨」をテーマにした、いつになく感傷的なマイクアキラのリリックが沁みる一曲。
普通に「THE EARTH EMPEROR」に収録してたら人気だった気がするんだけど、省かれちゃったのが不思議なぐらい良曲だと思います。
雨がテーマになってたり、もの悲しげなピアノのリフだったりは、よく言えばLIBRO”雨降りの月曜”に通じる部分があるような。
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