今回はSPECIAL PRODUCTS、BEAT BANDITのかつてのミックス「UNDER 1000YEN BEATS(60 MINUTES OF CHEAPNESS)」のミックステープ!

手前味噌ながら、2011年に手焼きCDR仕様の150枚限定でリリースした和モノ・ミックスですが完売して久しい状況だったんで、この度13年越しでミックステープ化しました。
元々、2011年に局地的ながらも話題を呼んだドキュメンタルムービー「1000YEN BEATS VINYL ATTACK!」にインスパイアされて制作したもので。

「1000YEN BEATS VINYL ATTACK!」自体も、J.ROCCやRAS G等が参戦した海外の「SECONDHAND SURESHOTS」(こちらは予算5ドル)が元ネタで、予算を1000円にしてEVISBEATSやMATSUMOTO HISATAAKAA等を呼び込み、COCOLO BLANDが関西で仕切った日本版、という感じ。
同タイミングでTOFUBEATSやOKADADA等が参戦した国内のHARD-OFF版(?)「HARD-OFF BEATS」なんて企画もYOUTUBE上で公開され、それ以前にも2009年にはPUNPEEが優勝したAKAI主催のサンプラーバトル「MPC GOLD FINGAZ KITCHEN」なんて大会もやってたから、今にして思うと2010年前後は(MCバトルのカウンター的に)「即席サンプリングでどれぐらいやれるか?」みたいなことが注目された時期だったように思います。
余談ですが、「MPC GOLD FINGAZ KITCHEN」はいつの間にか終わってて、今ではPUNPEEのプロフィールぐらいでしか名前を見なくなってて。
何回かやってた気がするんですけど、他は誰が優勝したんだろ…?(ひょっとしてAKAI的に黒歴史なの?)
そんな状況下、店主としては2011年時点、すでに旧ブログで「リサイクルショップディガー」って記事を書いてたり、市場も和モノがまだまだホットでフレッシュなものって認識が続いてたから、DJING/DIGGINGの観点で勝手に企画して。
1000円以下のリサイクルショップ定番、いわゆるカスレコだけで、どれぐらい格好いいミックスが作れるか(一人で)やってみたやつなんですが、今改めて聴き返しても「1000円以下で(容易に)見つかるレコードを使う」というコンセプト部分の状況があんまり変わってない(= 収録曲の大半が安いまま!)から、リサイクルショップのディグをライフワークにしてる店主としては、皆さんにもそんなルーティーンのお供にしてもらえたらな、と。
80年代のレコードは残念ながら殆ど収録してないんで、シティ・ポップ再熱の2020年代にリバイバルしてるサウンドではないけど、店主としては生演奏の70年代の方がやっぱり普遍性を感じてて、多分5年後も流行に関係なく聴けると思います。
恐らく最低でも向こう数年間は収録曲の大半がまだ同じ価格帯で見つかり続けるだろうから、であれば本作の意義であるリサイクルショップでの掘り行為(ディグ)がより楽しくなる状況も暫くは続くはず。
物価高の影響で新譜のレコードは軒並み高価だし、新品が完売した瞬間から転売ヤーがプレ値で売りつけてくる状況はワックだけど、一方で行くとこに行けば中古レコードは安いものも多いし、安くても良いレコードだって沢山あって。
DJやレコードが金持ちの道楽じゃなくて、誰もが参加できるような敷居が低い、だけどディープな遊びなんだってことを、ファッション/トレンドとしてまたしてもレコードというメディアが消費されそうになってる2024年の今だからこそ、また改めて発信できたら、って思いもあります(完全に後付けですが)。
もし良い反応を頂けたら、久々に続編の制作も検討してみようかなと…!
また、元々の音のバランスがかなり悪かったんで、今回のミックステープ化にあたってリマスタリングして、個人的にもフレッシュな感覚で聴き返しています。
当時に購入していただいた方、そうでない方、今回のミックステープ化で初めて知ったという方も、全てのリサイクルショップディガーにお届けしたい一本になりました。
なお、こちらに関してはご購入いただいた方に漏れなくMP3データも差し上げますので、カセットテープのプレイヤーをお持ちでない方もご賞味ください。
当店でしか購入できないSPECIAL PRODUCTSですので、ミックステープマニアの方も是非!
最後に余談ですが、旧サイト時代にCDR版を売ってた時、当店だけの購入特典として(当時は彼もオンラインのレコ屋をやってた)DJの友人と、本編と同コンセプトで30分ずつの短編ミックスをそれぞれで作ってくっつけた60分の別バージョンを付けてたんですが、このマスターを紛失しちゃっており。
自分のは本編のプレっぽい内容だった気がするけど一体どんなだったか、まったく同じじゃなかったはずだけど、もううろ覚えで。
確か、友人と一緒にリサイクルショップに出掛けてその釣果だけでほぼ作り切ったような記憶があるんだけど、友人のミックスもなかなか面白い内容だった気がして(山本リンダ”どうにも止まらない”の奇妙なインスト・ムーグ・カヴァーとか入れてたような…)。
もしも、当時購入してまだ所持されている方がいらっしゃったら、当店のメールかX/INSTAGRAMのアカウントまでDMでご一報をいただけたら嬉しいです(データをシェアしてもらえる方には、何かお礼します!)。
一日の釣果で作り切るという意味では、そっちの方がもしかしたら本編のコンセプトに沿ってるかも、なんでまた特典にしてもいいかも、とか考えていたりします。
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