今、FRONTを読み返す – MARCH 1998

FRONT_MARCH 1998

表紙 – PUFF DADDY & THE FAMILY

表紙はPUFF DADDY & THE FAMILY、1998年3月号!
PUFF DADDYの密着取材がメインなんですが、その扉のテキストには「昨年(97年)のヒット・ポップ・ソングの約60%を生み出したと言われるショーン”パフィ”コムズ」なんて書いてあって、BAD BOY勢がシーンを席巻していた時期だったなと改めて。

FRONTもBLASTも、3月に前年の年間ベスト作品を選出/アワード(FRONT AWARDS)をやるのが通例でしたが、ご多分に漏れず97年版がこの3月号に掲載されてるんで、各項目ごとにトップ3作品のみ書き出しておきます。

<BEST HIPHOP ALBUM>
第01位 – COMMON「ONE DAY IT’LL ALL MAKE SENSE」
第02位 – K-DUB SHINE「現在時刻」
第03位 – RAKIM「THE 18TH LETTER」

<BEST R&B ALBUM>
第01位 – ADRIANA EVANS「S.T.(ADRIANA EVANS)」
第02位 – ERYKAH BADU「LIVE」
第03位 – ZHANE「SATURDAY NIGHT」

<BEST HIPHOP SINGLE>
第01位 – GANG STARR”YOU KNOW MY STEEZ”
第02位 – RAKIM”IT’S BEEN A LONG TIME”
第03位 – BUSTA RHYMES”PUT YOUR HANDS WHERE MY EYES COULD SEE”

<BEST R&B SINGLE>
第01位 – JANET JACKSON”GOT ‘TIL IT’S GONE”(feat. Q-TIP)
第02位 – BRAXTONS”SLOW FLOW”
第03位 – GOODFELLAZ”SUGAR HONEY ICE TEA”

<BEST HIPHOP PRODUCER>
第01位 – DJ PREMIER
第02位 – SEAN “PUFFY” COMBS
第03位 – DJ CLARK KENT

<BEST R&B PRODUCER>
第01位 – JAM & LEWIS
第02位 – TEDDY RILEY
第03位 – TIMBALAND

FRONT – MARCH 1998

ヒップホップのアルバムでK-DUB SHINE「現在時刻」が上位だったり、シングルでもBUSTA RHYMES”PUT YOUR HANDS WHERE MY EYES COULD SEE”が入ってる感じとか、時代を感じます。
ただ、パッと見で当時の気分が分かる感じにはなっている気がします。
この中だと唯一、プロデューサーでDJ CLARK KENTとか、ちょっと意外で違和感がある感じだけど、明確な選定理由とかは書かれてないんでどうなんでしょうね…?
同年の仕事をDISCOGSで調べてみると、RAKIM”GUESS WHO’S BACK”とかNOTORIOUS B.I.G.”SKY’S THE LIMIT”、LOST BOYZ”WHAT’S WRONG?”辺りか、うーむ…。

特集 – DROPPIN’ SCIENCE/JACKIN’ FOR THE BEATS

特集は「DROPPIN’ SCIENCE」と銘打って、五大定番ブレイクとして”IMPEACH THE PRESIDENT”/”SYNTHETIC SUBSTITUTION”/”IT’S A NEW DAY”/”FUNKY PRESIDENT”/”HIHACHE”のビートを分解して掘り下げたディープな内容を掲載。
“FUNKY DRUMMER”が入ってないんだ、とかのツッコミは置いといて、ループとか組み替えで使用してる楽曲のカタログも載ってるんで併せて聴くと楽しい感じも良き。

本号はアワードと特集に全振りした感じで、それ以外のとこは個人的にもあまり読み込んだ記憶が無かったけど、RIP SLYMEのメジャー移籍前の「TALKIN’ CHEAP」のリリースに合わせて長めのインタビューが載っていて、この時期のものは貴重な気がします。
すでにDJ FUMIYAが加入後のようで、合流の経緯として「リップ・スライムには昔から興味があったし、誘われて「入ります」って感じでしたね」と。
実際、正規加入前からライブDJやったり、前EP「LIP’S RHYME」にもスクラッチで参加していたりもして、初期から近くには居た、とのこと。
DJ FUMIYAがRIP SLYME以前に居たMELLOW DOWN(DJ FUMIYAの実兄TAKE、後にRIP SLYMEに加入するSUも在籍したダンスグループ)にも少しだけ言及されています。
「TALKIN’ CHEAP」の広告も入ってたので載せておきます。

今となっては、センターのPESがむしろ哀しい…。
単に時期的なことかもしれませんが、本号には日本語ラップの広告が殆ど入っていませんでした。

DEV-LARGE連載 – THE WORLD OF BUDDHA BRAND

DEV-LARGEの連載「THE WORLD OF BUDDHA BRAND(COREすぎる怖すぎる男の世界)」は、なんと掲載無し!
翌月の4月号で、「先月は間に合わなかった。ゴメン!」とあったんでそういうことね…。

裏表紙も日本語ラップじゃなく、GANG STARRの5THアルバム「MOMENT OF TRUTH」の広告!
より日本語ラップに傾倒していくBLAST以前のFRONTは、こんなバランスだったなあと改めて。

コメント

タイトルとURLをコピーしました