田原俊彦”IT’S BAD” – 日本語ラップ以前【3】

田原俊彦_IT'S BAD

田原俊彦”IT’S BAD”
(CANYON/JPN 7″/7A-0543)

A-1 IT’S BAD
B-1 見慣れない君を見た

デビュー前の久保田利伸が作曲した、全盛期トシちゃんによるラップ歌謡!

85年(昭和60年)リリース、久保田利伸がデビュー前に関係者に配っていたデモテープ「すごいぞ!テープ」に収録されていた楽曲としても知られていて、作曲はもちろん久保田利伸。
正確には、元々は後に久保田利伸のデビュー作「SHAKE IT PARADISE」に収録された”OLYMPICは火の車”の提供が望まれていたものの、それを断り提供されたのが”IT’S BAD”で、その後に自身でセルフカヴァーしたのが「すごいぞ!テープ」のテイクなんだとか。
佐野元春”COMPLICATION SHAKEDOWN”辺りと並んで、「ラップを取り入れた最初の歌謡曲」と評されることも多い”IT’S BAD”ですが、ブラコンタッチ = 黒いフィーリングが少なからず含まれており、かつコミックソングじゃないというところでは、そういう枕詞が付けやすい一曲なのは確かかなあと。
地味にジャケが小ピンナップに展開する仕掛けも、ファンには嬉しかった?

ラップパートのみ抜粋すると、こんな感じ。

ドレスの色で、心を着替え
メイクアップを変えて、背伸びする
誰にも無邪気な目で微笑むのは
自分の魅力を信じてないからさ

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きわどい夜を、笑顔で濁し
ディスコティックで聴くミュージック、何故さけるの?
二人の未来、おとぎ話じゃないのに
僕の言葉を信じてないんだね

田原俊彦”IT’S BAD”(RAP VERSE)

トシちゃんラップには、まさかの韻無し…。
それっぽい箇所も一切無いんで、本作に関しては正にヒップホップじゃなくてラップ、トレンドとしてアートフォームのみ取り入れたって感じがします。

ちなみに、トシちゃんがMICHAEL JACKSONの大ファンなのは有名ですが、ゆえに本作もてっきりMICHAEL JACKSON”BAD”に呼応した作品かと思いきや、”BAD”は87年リリースで、こっちの方がぜんぜん早かったという事実…!

直前にLL COOL Jが”I’M BAD”をリリースしていたりで、薄っすらと巻き起こった本国でのBAD騒動(「誰がBAD = COOLなのか、的な」)を予期していたかのように(?)、トシちゃんが2年も早くそしらぬ顔でBADを先んじていたのはもちろん偶然でしょうが、記憶に留めておきたいトリビアではあります(と言うか、本当にスゴいのは久保田利伸ということか…!)。
ラップ歌謡大百科掲載盤。

2011年には、年齢相応にマイルドに仕立てたアレンジでセルフ・リメイクも発表済み。

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