さだまさし”ねこ背のたぬき” – 日本語ラップ以前【10】

フォークの岡林信康(“ホビット”)だったり、ミス花子(“河内のオッサンの唄”/”しつれい節”)だったりとか、シンガーソングライター界隈でも、80年代からラップというアートフォームに惹かれたアーティストは多かったわけで。

さだまさし_自分症候群
さだまさし_自分症候群_裏

さだまさし「自分症候群」
(FREE FLIGHT RECORDS/JPN LP/FFR-12511)

A-1 風が伝えた愛の歌
A-2 サイボーグ・サイボーグ(アルミニュウム製の子供たち)
A-3 沈吟
A-4 8つ目の青春
A-5 BYE BYE BLUE BIRD
B-1 FINAL COUNT DOWN
B-2 ねこ背のたぬき
B-3 上海小夜曲
B-4 長崎BREEZE
B-5 草枕
B-6 夢一匁

和製WORLD FAMOUS SUPREME TEAM”HEY DJ”?
まさかの、さだまさしによるラップ歌謡!

意外かもしれませんが、さだまさしにもラップ歌謡は在ります!
85年(昭和60年)リリース、同年の11THアルバム「自分症候群」収録の”ねこ背の狸”で、恐らくは84年のWORLD FAMOUS SUPREME TEAM”HEY DJ”を意識したと思われる80’Sらしいアーバンなビートに、早口言葉ともラップとも言えそうなスタイルを披露しています。
敢えて言うなら、「ねこ背のたぬきが~」という歌い出しを執拗に繰り返すことが頭韻っぽい響きで、よりラップ的な聞こえを演出しているような。
編曲を客入りのイベント会場のライブ中に行ったこともあったみたいなんで、そんな即興性もどこかラップ的なニュアンスに繋がっているかもしれません。

ヴァースと呼べそうな部分が殆ど無いんで、フックも含めて抜粋。

ねこ背のたぬきがね
ねこ背のたぬきがよ
ねこ背のたぬきがさ
ねこ背のたぬきがな
ねこ背のたぬきがね
ねこ背のたぬきがよ
ねこ背のたぬきがさ
おこぜの刺身をね
買って帰ったってさ

ねこ背のたぬきは
酒の肴に、かなりうるさい

ねこ背のたぬきがね
ねこ背のたぬきがよ
ねこ背のたぬきがさ
ねこ背のたぬきがな
ねこ背のたぬきがよ
おこぜの刺身をね
帰って食ったら、あたったってさ

ねこ背のたぬきは
ねこ背のたぬきは
けっこう、寂しい

さだまさし”ねこ背のたぬき”

”HEY DJ”と言えば、一寸早く角松 敏生が”SECRET LOVER”で同曲をモロに引用しているせいか(?)、本作の方がやや割を喰ってしまった感もあっていまいち注目される機会が無いけど、ラップ歌謡大百科にはしっかり掲載済み。
アルバム本編においては飛び抜けて実験的な作りだったこともあって、さだまさし自身もそれなりに気に入っていたのか、2010年代のベスト盤ならぬオールタイム・ワースト盤(!)「御乱心」の1曲目を飾り、ファンの間ではすでに発掘済みな感じもあるかもしれませんが、ラップ歌謡として世の中での知名度はまだまだな気がします。

余談ですが、「自分症候群」には他にもドラムブレイク有りの”サイボーグ・サイボーグ(アルミニュウム製の子供たち)”も収録されていて、和モノ好きには少し知られた盤なので興味のある方は是非。

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