追究 … 未知のものや不明の事柄を調べて明らかにしようとすること
盤紹介系の記事だと、最近だと直近の作品の方が瞬時に転売のオークションでどえらい高額で取引されるケースも増えて、レア度だけで言えば最近の新譜の方がレアだったり高額なものも多いんですが、 当店VINYL DEALER は品揃えを見てもらえば分かる通り、決してレア盤ばかりを取り扱ってるわけじゃないんで、当記事で日本語ラップを深堀りするにもレア度だけに偏った内容にはしたくなくて。
安くたってイイものはイイし、店主自身も別にレア盤志向ってわけじゃないので(旧ブログでは、リサイクルショップ・ディガーという記事も書いてました)。
そうは言っても、ありきたりの盤ばかり掲載しても面白味が薄いし、ここまではプロモ中心に紹介してきましたが、その辺りはバランスを見ながら更新していければ。
前置きが長くなってしまったんですが、当カテゴリーのここまでのラインナップを振り返った時に、「プロモばかりだとサムネイルが映えないな~…」って個人的にも感じてたんで、適度にジャケ有りも紹介しつつ、オークションで大枚をはたかずとも、レコ屋に足繫く通えばちゃんと見つかるレコードも再発見するきっかけになればと思っています。
というわけで、今回は旧ブログのリブート記事になりますが、黎明期の名V.A.「悪名」シリーズを掘り下げます。

V.A.「悪名」
(BAD NEWS RECORDS/JPN LP/JPRLP-3)
A-1 RINO”もうひとつの世界”
A-2 RAPPAGARIYA(ラッパ我リヤ)”ヤバスギルスキル”
A-3 DJANGO”ガンジ”
A-4 NAKED ARTZ”S.T.(NAKED ARTZ)”
B-1 HILL THE IQ”飛んで火にいるWACK MC”(feat. ZEEBRA)
B-2 RADICAL FREAKS”地下室”(feat. MC JOE)
B-3 TWIGY”AN-CHO-VY(百鬼夜行)”
当時、FRONTでもライターとして活躍していた萩谷雄一が監修した、伝説的V.A.シリーズ第1弾。
RINO、TWIGYのソロ作から、まだアルファベット表記だったラッパ我リヤの名物シリーズの処女作(コ・プロデュースはINDOPEPHYCHICS)、NAKED ARTZに、後のKICK THE CAN CREWのMC Uが所属したRADICAL FREAKS(MC JOE参加!)、玄人筋の評価が高いHILL THE IQ(客演にZEEBRAが参加)という濃ゆいメンツが凌ぎを削りまくる全7曲(CDはインスト込みの11曲)。
本作以前のV.A.作品には、ミクスチャーバンドとか、テクノやハウス系アーティストと一括りにされていたものも多かっただけに、こんな感じのハードコアな日本語ラップ作品だけでリリースが叶ったというのも、当時のシーンの勢いを感じます。
この勢いのままにソロデビューが叶っていたとしたら、もしかすると今とは違ったシーンが出来ていたかも、という想像すら掻き立てるRINO”もうひとつの世界”、TWIGY”AN-CHO-VY(百鬼夜行)”が白眉なのは間違いありませんが、作品全体に漂う「これから起こる何かの予兆」みたいな雰囲気に、全編を通してどこかソワソワさせられます。
参加者が皆がギラついているこの感じは、この時代にしかパックできなかった空気感と言えるはず。
決して全曲のクオリティーが総じて高いってわけじゃないのに、リリースから20年以上経て公式に再発されたのもどこか納得できる、成熟を経た今のシーンが失ってしまった原点的な魅力があるような。
カミナリのDJ PATRICKによるアートワークも良き。
ちなみに、CDのブックレットのスペシャルサンクス欄にはECDやDJ HAJIME(HAZIME)、ROCK-T、GAS BOYS等の名前もあります。

V.A.「続・悪名」
(BAD NEWS RECORDS/JPN LP/JPRLP-7)
A-1 MT. F-UZI(UZI)”マグマ沸騰”(feat. ZEEBRA)
A-2 RAPPAGARIYA(ラッパ我リヤ)”せんれい”
A-3 NAKED ARTZ”夢”
A-4 TWIGY”QUIET STORM”(feat. LITTLE KANA)
B-1 RINO”夕陽のタンガンマン”
B-2 T.A.K THE RHYMEHEAD”偽装工作”
B-3 DJANGO”風”(feat. 神水)
B-4 G.K. MARYAN”俺の言い分”(feat. UZI)
前作の翌年にリリースされた、伝説的V.A.シリーズ第2弾。
RINOとTWIGYのカミナリ勢からはさらにG.K. MARYANが参戦、続投組のRAPPAGARIYA(PRODUCED BY DJ KENSEI!)にNAKED ARTZ、DJANGO、当時はまだキングギドラのサイドキックだったUZIがMT.F-UZIとして兄貴分のZEEBRAを迎えていたり、3A BROTHERSを解散し、こちらもキングギドラ周辺で活動をしていたT.A.K THE RHYMEHEADのソロ曲等、前作譲りの濃ゆい全8曲。
今回は萩谷色(?)がやや薄めで、さらに「さんぴんCAMP」に接近した感じか?
そんな「さんぴんCAMP」でも披露されたRINO”夕陽のタンガンマン”はやっぱりクラシックだし、DJ KRUSH”TWIGYの言い分”、MICROPHONE PAGER”言い分”に続く”言い分”シリーズを汲んだG.K. MARYAN”俺の言い分”も、G.K. MARYANの初期クラシックの一つだと思います。
NAKED ARTZ”夢”然り、後年の自らのオリジナルアルバムにはリテイク版やREMIXで収録された楽曲の多くが、V.A.収録のオリジナル・バージョンを超えていない事実も追記しておきます。
インスト/アカペラ盤が、それぞれLPのみで存在していることでもお馴染みのはず。


V.A.「悪名(INSTRUMENTAL/A CAPPELLA)」
(BAD NEWS RECORDS/JPN LP/BNJA-1)
A-1 RINO”もうひとつの世界”(INSTRUMENTAL)
A-2 RINO”もうひとつの世界”(A CAPPELLA)
A-3 RAPPAGARIYA(ラッパ我リヤ)”ヤバスギルスキル”(INSTRUMENTAL)
A-4 RAPPAGARIYA(ラッパ我リヤ)”ヤバスギルスキル”(A CAPPELLA)
A-5 DJANGO”ガンジ”(INSTRUMENTAL)
A-6 DJANGO”ガンジ”(A CAPPELLA)
A-7 NAKED ARTZ”S.T.(NAKED ARTZ)”(INSTRUMENTAL)
A-8 NAKED ARTZ”S.T.(NAKED ARTZ)”(A CAPPELLA)
B-1 HILL THE IQ”飛んで火にいるWACK MC”(INSTRUMENTAL)
B-2 HILL THE IQ”飛んで火にいるWACK MC”(A CAPPELLA)
B-3 RADICAL FREAKS”地下室”(INSTRUMENTAL)
B-4 RADICAL FREAKS”地下室”(A CAPPELLA)
B-5 TWIGY”AN-CHO-VY(百鬼夜行)”(INSTRUMENTAL)
B-6 TWIGY”AN-CHO-VY(百鬼夜行)”(A CAPPELLA)


V.A.「続・悪名(INSTRUMENTAL/A CAPPELLA)」
(BAD NEWS RECORDS/JPN 2LP/JPRIA-7)
A-1 MT. F-UZI(UZI)”マグマ沸騰”(INSTRUMENTAL)
A-2 MT. F-UZI(UZI)”マグマ沸騰”(A CAPPELLA)
A-3 RAPPAGARIYA(ラッパ我リヤ)”せんれい”(INSTRUMENTAL)
A-4 RAPPAGARIYA(ラッパ我リヤ)”せんれい”(A CAPPELLA)
B-1 NAKED ARTZ”夢”(INSTRUMENTAL)
B-2 NAKED ARTZ”夢”(A CAPPELLA)
B-3 TWIGY”QUIET STORM”(INSTRUMENTAL)
B-4 TWIGY”QUIET STORM”(A CAPPELLA)
C-1 RINO”夕陽のタンガンマン”(INSTRUMENTAL)
C-2 RINO”夕陽のタンガンマン”(A CAPPELLA)
C-3 T.A.K THE RHYMEHEAD”偽装工作”(INSTRUMENTAL)
C-4 T.A.K THE RHYMEHEAD”偽装工作”(A CAPPELLA)
D-1 DJANGO”風”(INSTRUMENTAL)
D-2 DJANGO”風”(A CAPPELLA)
D-3 G.K. MARYAN”俺の言い分”(INSTRUMENTAL)
D-4 G.K. MARYAN”俺の言い分”(A CAPPELLA)
インスト/アカペラ盤はLPのみで、収録曲も元々のインスト曲は省いたLPベース。
プレーンジャケにステッカーのみという硬派な仕様だったラップ入り盤よりも、なぜかこっちの方が豪華な仕上がりになっています。
「続・悪名」に至ってはなんと2枚組(!)で、溝幅も広くて音圧までバッチリ!
薄暗くてよく見えないジャケのアートワークは、CDブックレットの裏ジャケが使われていたりします。
DEV-LARGEが生前のブログで、自身が監修した日本語ラップV.A.の三部作が終わったら着手するとしていたV.A.「新・悪名」(!)は、DEV-LARGEが亡くなったことでプロジェクト自体が消滅したのか、真相は謎ですが、恐らくもうリリースされないんでしょうね。
DEV-LARGEとTWINKLE+による「JINRO」のCM曲が、リリック違いで収録されたかもしれなかった、なんてことを聞くと、そんな世界線も見てみたかった…。

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