追究 … 未知のものや不明の事柄を調べて明らかにしようとすること
梅雨も明けたし、じゃっ、夏なんで(@かせきさいだぁ)ってことで、少しマニアックなアナザー・サマークラシックを!
サイプレス上野とロベルト吉野「UENO-RADIO」
(-/JPN PROMO CDR/-)
01 – UENO-RADIO
02 – 夏の過ごし方
サイプレス上野の変名、LEGENDオブ伝説のクロスオーバー・ミックス「DEAR CUSTOMER」の、当時徳島県でZZ PRODUCTIONSの三木祐司が代表を務めたセレクトショップ、TAILGATEのみで購入特典として配布されたCDR。
そんな特典CDRは、メインこそサイプレス上野がパーソナリティーを務める疑似ラジオの方なんですが、2曲目にボーナストラック的にサイプレス上野とロベルト吉野”夏の過ごし方”がフル尺で収録されていました。
全曲レビュー
01 – “UENO-RADIO”
曰く、「エクスクルーシブ・ミックス・ラジオショー」。
とは言うものの、たった12分強で肝心のサ上のしゃべりは殆ど無く、かけてるのもNU 全ラ’95″WHERE ARE YOU GOING?”とKUWATA BAND”BAN BAN BAN”の2曲のみの謎選曲なんで、正直内容はどうもこうもないんですが、その後にTOKYO FMで実際にオンエアされた日本語ラップのラジオ番組「サ上の日本語ラップキラッ!」や疑似ラジオCD「サ上とロ吉のBED ROOM RADIO」シリーズのプレリリースと考えれば今となっては興味深い、かな…?
02 – “夏の過ごし方”
自身が高校時代に結成したグループ、DREAM RAPSのデモ音源すら、キャリア初期から蔵出ししていたほど、録音したら洗いざらいリリースするイメージのサイプレス上野なんですが、公式作品にはいまだに未収録のままになっている一曲(忘れてるだけ?)。
日本語ラップの夏の風物詩、スチャダラパー”サマージャム ’95″、かせきさいだぁ”じゃっ、夏なんで”辺りを意識したであろう、夏のとりとめのない日常を切り抜いたような一曲。
リラックスしたユルめのビートに、フックにはSOUL SCREAM”自由街道”のE.G.G. MANヴァースから「SUMMER DAY, 夏の一コマの絵、焼けたアスファルトに油ひけ」を持ってきたセンスにニヤリ(ここに、やけのはらがSTRUGGLE FOR PRIDE”SUMMER NEVER END”で引用したことで知られる、BLUE HEARTS”1000のバイオリン”の「思い出は熱いトタン屋根の上、アイスクリームみたいに溶けてった」を連想してしまうの、店主だけですかね…?)。
かつてDARTHREIDERが主催した日本語ラップイベント「蝕」のレギュラーDJにして、かのMEGA-Gの伝説的ブートレグ・日本語ラップ・ミックス「BASIC TRAINING」の片棒を担いだことでも知られるDJ 49の夏曲ミックス「GOOD TIMES MEMORY 01」にもエクスクルーシブとして収録、それもBUDDHA BRAND”ブッダの休日”の直後にきっちり滑り込んでいたんですが、正しくそんな感じ。
余談ですが、サイプレス上野とロベルト吉野作品で、同じく公式作品にはいまだに未収録のままになっている一曲で、しかも夏曲と言えば、キャリア初期の2006年に地元の横浜メンツを集めたV.A.「RE:YOKOHAMA」に提供した”フレッSH×3(夏の扉2006)”も最高。
副題よろしく、松田聖子”夏の扉”のフック(「フレッシュ、フレッシュ、フレ~ッシュ♪」)にオールドスクール・クラシック、FRESH 3MC’S”FRESH”をブチ込んだ(フラッシュ)アイデア一発の激烈な仕上がりながら、「ヨコハマジョーカーEP」前後の時期だからこその初期衝動と勢いが詰まってる気がして、彼等の原点にして真髄にも思えます。
何もサ上に限った話ではないけど、キャリアを重ねるとどんなアーティストも巧みさと引き換えに洗練される中で歪さが削ぎ落ちて、故に粗削りな魅力が愛おしくて、また初期作品を聴き返してしまうのは店主だけではないかなあ、と(アーティストにとっては恥ずかしい、のかもしれないけど)。
「昔は良かったな」じゃなくて、「昔も良かったな」って話で、それって別に単なる懐古主義ではないつもりなんですけどね。
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