DEL THE FUNKY HOMOSAPIEN”WACK MC’S” – 声ネタ(日本語ラップ)【14】

DEL THE FUNKY HOMOSAPIEN_WACK MC'S

DEL THE FUNKY HOMOSAPIEN”WACK MC’S”(1993)

ICE CUBEの従兄弟としても知られる西海岸はオークランドの雄、DEL THE FUNKY HOMOSAPIEN(DEL THA FUNKEE HOMOSAPIEN)は、日本ではSOULS OF MISCHIEF等も籍を置く大所帯クルー、HIEROGLYPHICSのリーダー格としてもお馴染みのはず。
そんなDELの93年の2NDアルバム「NO NEED FOR ALARM」からの一曲(写真の”CATCH THE BAD ONE”のシングルB面に収録)で、タイトル通りワックなMC達を口撃する、いわゆるサッカーMCモノだけにどこからでもフレーズは抜きやすい気がしますが、冒頭の何気無い一節を拾い上げています。

Wack mc’s and you’re history

悪名 LP

日本語ラップV.A.の金字塔的名作「悪名」(1995)より、HILL THE IQ”飛んで火にいるWACK MC”
シーンの要人が揃い踏みした同V.A.においても、何気にZEEBRAのソロとしては初レコーディング楽曲としても知られ、主役のHILL THE IQのねちっこくもハードボイルドな独特の存在感と共に語り継がれていくべき重要作だと思います。
(良くも悪くも)「悪名」シリーズらしい、不穏でおどろおどろしい空気感の一曲で、スクラッチも決して派手に擦ってるわけじゃないけど、テーマに合わせたワードのチョイスでしっかりハマッてます。

0:06~

HILL THE IQは続いて、DJ HASEBE”蜘蛛の糸(奴がスパイだ)”への客演、DJ KOUSUKEとタッグ名義での”ライミン術”/”放火魔”/”HILL’S STREET BLUES”とクラシックを産み落とすも、デビュー作となる「THE DAY」が2002年とリリースまでにややブランクがあり、結果的にシーンでも特に過小評価されているMCの一人だと思います。
“飛んで火にいるWACK MC”と(客演仕事の)”蜘蛛の糸”、DJ KOUSUKEとの3曲にプラス1~2曲でもイイから、90年代の内にEPサイズでもCDでリリース出来ていたなら、恐らくはもっと高く評価されていたはずなので悔やまれる…。
韻の固さやねちっこいフロウは少しラッパ我リヤ~走馬党一派と通じるところもあるし(奇しくも両者共に出自はV.A.「悪名」)、そのラッパ我リヤが客演したDRAGON ASH”DEEP IMPACT”でのブレイクで一気にメジャーにまで駆け上がったことを思えば、ボタンの掛け違い一つでHILL THE IQがブレイクする世界線も在ったのかな、と妄想します。

完全に余談になりますが、90年代後半の以降の日本語ラップシーンはオークランドと縁が深く。
K-DUB SHINEやSHING02の留学先だったことも関係しているのか、MICROPHONE PAGER“RAPPERZ ARE DANGER”をSOUL OF MISCHIEFのA-PLUSがREMIXしたり、SHING02のデビュー以降、MARY JOYからLIVING LEGENDS周辺が輸入され、SHING02率いるTERRACOTTA TROOPSの”DYNASTY”/”MONSTER!”にDELが参加してたり、逆にMYSTIK JOURNEYMEN”REVENGE OF THE GOLDFISH”にRINOが参加したりだとか、異文化交流が加速してくのはもうちょっと先の話ではあるけど、仮に擦りネタのアイデアを客演のZEEBRAが出していたとすれば、ちょっと繋がってくる気もします。
ちなみに、HILL THE IQ”飛んで火にいるWACK MC”はDJ KOUSUKEとDJ TATSUTAの連名でのプロデュースとあるので、単にDJのどっちかのアイデアの可能性もありますが真相は如何に…!

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