EPMD”YOU’RE A CUSTOMER”(1987)
“YOU’RE CUSTOMER”は、ERICK & PARRISH MAKING DOLLARSことEPMD、ERICK SERMONとPMD(PARRISH SMITH)のデュオの記念すべきデビューシングル”IT’S MY THING”のB面曲。
何気に、この”IT’S MY THING”内では、「ERICK AND PARRISH MILLENNIUM DUCATS」ともラップしてるんだけど、MAKING DOLLARSの方が一般的だと思います。
あと、この1STシングルのみ、グループ名の表記が「EPEE MD」になってるんですが、2NDシングル以後は「EPMD」に変更されているのに、90年代以降の再発も”IT’S MY THING”に限ってはずっと「EPEE MD」のままになっているので拘りなのか、敢えてそのままにしているものと思われます。
MC’s, the final countdown
BEN THE ACEは自身が主宰するSPELLBOUND RECORDSのカタログで、USヒップホップからの声ネタ使いを幾つか残していて、本作もそんな一曲。
TWIGYの98年のソロ1STアルバム「AL-KHADIR」は、”MIRROR BALL”や”DATEME”、”煙の拳”等、それ以前の既発曲がほぼほぼ占めていたことで当時は肩透かしを喰らった一枚という印象が強いものの、2曲だけ作中で初解禁された新録もあって(それ以外は新曲はBEN THE ACE作のインスト)。
その内の一曲、TWIGY”FINAL COUNTDOWN”(1998)のフックにEPMD”YOU’RE A CUSTOMER”のタイトルフレーズが流用されています。
アルバムの当時の肩透かし感からか(?)、後年に語られる機会は多くない気がする「AL-KHADIR」内で埋もれてしまった印象のアンカット曲なんですが、個人的には”聖戦”とか”MIRROR BALL”辺りと並列に語っていい隠れ名曲だと思います。
90年代以降は、”YOU’RE A CUSTOMER”はむしろ冒頭のドラムブレイク部分のネタとしての需要が高い一曲ですが、両者のヴァースが交換される中、楽曲終盤のPMDの渋いパンチラインを抜き出してきたBEN THE ACEの選球眼にニヤリとさせられるはず。
こういう声ネタ使い一つでも、BEN THE ACEがヒップホップ通の間で昔から根強く評価されている理由が分かる気がします。
コメント