風見慎吾”BEAT ON PANIC”に続いて、欽ちゃんファミリーから2枚目!


松居直美「15のノンノ」
(PHILIPS/JPN LP/198L-1)
A-1 踝ジプシー
A-2 15のノンノ
A-3 ほどほどI LOVE YOU
A-4 微妙なとこネ
B-1 八月の雨
B-2 ちょっと恋なんじゃない
B-3 涙色のまま
B-4 暗いCRYクライ
風見慎吾に先んじた、欽ちゃんファミリーからの先兵的ラップ歌謡!
83年(昭和58年)リリース、欽ちゃんファミリーからよせなべトリオとしてデビューし、その後はものまねタレントとしても活躍する松居直美の、83年の唯一のアルバムから。
まだ15歳だった彼女を、バラドルとして可愛く売っていきたいという運営の思い故か、フェミニンな雰囲気のジャケに時代を感じます…。
アルバムのタイトル曲では黒めなグルーヴに乗って、山田邦子バリにラップ風(?)の語りを聴かせる作りで”邦子のかわい子ぶりっ子”だったり、あるいは和モノの人気曲、松本ちえこ”深夜のディスコ”辺りと同じ匂いがするような。
ラップ(風)パートを抜粋すると、こんな感じ。
色々ご事情あるでしょが
ここらで大人の話でも
ひょっとして、モーションかけたの
そっちやなかった?
アベコベよ
断り台詞が、かきくけこ
「一体あんた、なにぬねノン」日頃の鬱憤、晴らエガワ
エリート社員も水戸納豆
汚職して、出勤時間も遅く(おしょく)した
てな訳で、サラ金時刻のベルが鳴る
「一体あんた、なにぬねノン」家庭のヒミツも明かさたな
松居直美”15のノンノ”(RAP VERSE)
登校拒否するスルメイカ
父さんも工場倒産
ファイトで一発、リポビタメ
離れて遠きは親の恩
「一体あんた、なにぬねノン」
一足早い80年にリリースされたドリフターズ”ドリフの早口言葉”の影響なのか(?)、ラップ歌謡はどうしても早口言葉的に解釈されてしまうところがあって、本作の歌詞も正にそんな感じ。
2ヴァース目に不意に放り込まれる「汚職、遅く(おしょく)」なんてダジャレ的な言葉遊びには、急にちょっとだけテクニカルな感じでニヤリとさせられるかも。
コミックソングの先鋭性とラップの親和性の高さはよく知られるところ(?)ですが、80年代に全盛期を迎えていた欽ちゃんファミリーにおいて、風見慎吾”涙のTAKE A CHANCE”/”BEAT ON PANIC”にも先んじた先兵的なラップ歌謡として覚えておいても損はない一曲だとは思います。
ラップ歌謡大百科掲載盤。
収録のアルバム「15のノンノ」はパズル付き(!)のLPで、「LPとジグソー・パズルがいっぺんに楽しめちゃう!直美チャンのドキドキディスク」という触れ込み。
先のさだまさし「自分症候群」にはオマケで7″が付いてたし、そんな特典付きの作品ってまあまああるけど、パズル付きって仕様は数ある和モノ作品の中でも他にはあまり思い当たらないですね。
内容がリンクしてるわけでもなけりゃ、そもそもレコードとパズルの組み合わせの相性ってそんなに良いと思えないんですが、実際オークションなんかで見掛ける本盤でパズルのピースを紛失しちゃってるようなものって意外にも殆どないんで、お金を掛けた割には皆あんまりパズルは使ってなかったんじゃないかと想像してます。
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